広がる「脱ハンコ」の波 無理なく社内に電子化を浸透させるには?

2020年07月09日

ハンコ文化は電子化しても引き継げる!電子承認による業務の効率化

日本特有の文化として、日常的に使われているハンコ。
「本人確認」を意味し、他人に簡単に模造されないものとして、日本のビジネスシーンにおいても信頼性と効力は高く、重要な位置づけとなっています。

しかし、世界を揺るがす新型コロナウイルスの影響はハンコの業務にまで及び、紙への押印を重視する慣行に変化が起こっています。

この記事では、ハンコが広く普及し、社会全体に根付いたこれまでの歴史を踏まえ、現代のビジネスシーンへの適応について考えていきます。

テレワークをきっかけに見直されるハンコの業務

新型コロナウイルスの感染拡大を受けてテレワークへと勤務形態を移行した企業では、ハンコを押すための出社や対面による手渡しの状況を生み出すことから、押印プロセスの廃止や電子印鑑の利用、ハンコ要らずのシステムを導入するなど、従来の商慣習の見直しが進められています。

さらに政府においても、テレワーク推進の障害となっていることをきっかけに"契約書への押印は必ずしも必要ではない"との見解を示し、書類や押印の廃止を法改正も含めて進めることを宣言しました。

特段の定めがある場合を除き、契約に当たり、押印をしなくても、契約の効力に影響は生じない。

引用元:内閣府 法務省 経済産業省『押印についてのQ&A』(令和2年6月19日)

書面や押印、対面を原則とした慣習を転換し、デジタル技術の積極活用で行政手続き、ビジネス様式を速やかに再構築すべき

内閣府 経団連 経済同友会 日本商工会議所 新経済連盟『書面、押印、対面作業の削減を目指す共同宣言』より(令和2年7月8日)

これまでも、行政手続きを電子申請に統一するための「デジタル手続き法」が成立するなど、利便性の向上や手続きの簡素化・効率化を目的に、IT技術による本人認証方法が進められてきましたが、コロナ禍をきっかけに更に紙から電子への移行は加速されていくでしょう。

日常業務におけるハンコの役割

ハンコが日本のビジネスに根付いた歴史は明治時代に遡ります。
明治6年、当時の政府は太政官布告にて「実印のない公文書は裁判上の証拠にはならない」という法律を制定しました。以来、ハンコを重んじる慣習が定着しています。

ビジネスの現場では、実印を用いる重要な契約ごとから、担当者の名前や日付が入った認印を用いた日常業務までさまざまな場面でハンコが利用されています。

日常業務の中でも申請書類はハンコを用いる機会の多い業務のひとつです。
企業などの組織では、日々発生する様々な検討事項についての決裁ルールが定められています。従業員は自分の判断で物事を処理できる範囲が決められており、それを超える事柄については決定権を持つ人の判断を仰ぐ必要があります。このとき行われるのが申請と承認です。
例えば物品購入ひとつにしても、購入したい物品やその用途が申請され、上長が必要性を判断したり購買担当部門が適切な注文先であるかなどを判断するといった承認がなされていることでしょう。

このような承認のプロセスには、紙を手渡しで回付し、承認者ひとりひとりにハンコを押してもらう流れが一般的となっています。
しかし、スピード経営が重要視されている現代では、様々な業務の効率化や合理化が求められており、
ハンコを使う業務も例外ではありません。

さらにコロナ禍において、在宅勤務中の従業員がハンコを押すためだけに出社せざるを得ない状況を生み出していることからも、見直しが急務で進められている企業も多いようです。

ハンコによる申請・承認業務を継承する電子承認システムとは

このような承認が必要となる業務の効率化を支援するツールとして、紙とハンコの運用を電子化する電子承認システムがあります。

電子承認システムは、ビジネスにおける申請から承認までの一連の流れを紙とハンコではなく、全てシステム上で完結させます。Webシステムによる提供形態が多く、ブラウザー上で申請したい内容を入力し、回付ルールに基づいて必要な人からの承認を得ていく仕組みです。

電子承認システムの効果

紙とハンコを手渡しで回す流れを電子化するとどのような効果が生み出せるでしょうか。

電子承認システムでは、人の手を介した紙の移送作業や、承認者がオフィスに戻るまで紙の書類がデスクの上に滞留されるという状況が無くなります。
スマートフォンやノートPCなどインターネットに接続できる環境があれば、オフィスにいなくても外出先や自宅などで申請内容の確認が可能です。急ぎの案件でも素早く処理することができるため、意思決定のスピードアップにも貢献します。

さらに、申請から決裁に至るまでの証跡や承認履歴の可視化、文書の改ざん防止など内部統制の強化にもつながり、管理体制の向上も期待できます。

費用面においても、紙やプリント代、移送コスト、保管スペースの場所代や保管キャビネット購入費、書類検索に伴う人件費などコスト削減につながります。

スムーズに電子化を進めるには?

ハンコを押印する業務は、各企業が適正な経営を継続させるために長年の試行錯誤を重ねてきた結果であることから、ただ単にハンコを無くしたり、プロセスを省くことではなく、これまでの運用を受け継ぐことがスムーズに社内に受け入れられるポイントです。

紙とハンコのイメージを引き継ぐ

電子化に踏み切れない事情のひとつとして、これまでの運用方法に慣れていた紙とハンコの業務がシステムに置き換わることに抵抗を感じる方も中にはいることでしょう。

例えば、PCやスマートフォンの操作において、誰でも直感的に使えるUIであることや、これまで紙で見慣れたイメージと同様の画面表示、ハンコの押印イメージを受け継ぐことで、どこに何を入力すべきかを一目でわかりやすく、これまでの紙の使い勝手に慣れた利用者にとっては親近感をもって利用することができ、社内に広く浸透させるきっかけとなるのではないでしょうか。

小規模から運用をはじめる

また、大きな組織では、複数の部門にまたがる複雑な決裁ルールがあることで、そのルールをどのようにシステムに適用するかを考えるだけでも担当者にとって重い負担となり、電子化を見送られているケースがあります。

そのような場合は、まず自部門の申請業務から電子化の検討をはじめてみてはいかがでしょうか。
クラウドサービスを利用すれば初期投資を抑えて月額で開始することができるため、小規模ユーザーでも手軽にはじめやすく、また将来的に利用部門を拡大することも可能です。

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