申請・承認業務を電子化し他拠点へのスムーズな展開も実現
手間と時間の大幅削減で、本業に集中できる環境づくりを推進
株式会社ホンダモビリティ南関東 様

事業戦略部 デジタル戦略課 森岡 裕也氏(写真左)、 事業戦略部 デジタル戦略課 課長 三浦 健一 氏(写真右)
■業種
自動車小売・賃貸・整備業
■事業内容
Honda車(新車、中古車)の販売及び修理、レンタカー、
自動車保険代理業、自動車部品・用品の販売、リースなど
■適用業務
稟議書・報告書・注文書などの承認・決裁処理
- 申請書を紙で回していたことから承認プロセスが停滞しがちで、申請書がどこで止まっているのかも把握できなかった
- 必要項目の記入漏れや添付書類の不足、バージョンの古い書式利用などの不備により手戻りが発生していた
- 記入ミスや書類不備に起因する手戻りをなくしてスムーズな申請・承認を実現
- スモールスタートから利用規模を拡大していき、会社統合時にもユーザー教育なしで全社展開できた
導入の背景
煩雑で手間と時間を要する
申請・承認業務の電子化が急務

株式会社ホンダモビリティ南関東
事業戦略部 デジタル戦略課 課長
三浦健一氏
Honda車の正規ディーラーであるホンダモビリティ南関東は、2024年4月に「ホンダカーズ東京中央」「ホンダカーズ横浜」「ホンダカーズ埼玉」「ホンダカーズ千葉」の4社が合併して誕生した。これに伴い販売ネットワークは191店舗に拡大し、従業員数も4,300名を超える日本最大規模の自動車ディーラーとなった。
現在、自動車業界を取り巻く環境は100年に一度の変革期を迎えており、カーボンニュートラルの実現に向けたEVシフトや、所有から使用へと舵を切ったモビリティのサービス化が進んでいる。さらに近い将来には、自動運転技術も実用化が期待されている。
「時代や社会の変化を捉えつつ、すべての人に移動の喜びを提供し、地域の豊かな暮らしを支えていくことが当社の使命です。もっとも旧4社の経営リソースを足し算しただけでは、そのミッションを達成することは難しいため、営業や整備、店舗のそれぞれの役割において、お客様対応に全力を挙げられるよう環境整備に注力することにしました。その一環として、煩雑で手間と時間を要する申請・承認業務の負担を軽減しようと考えました」(事業戦略部 デジタル戦略課 課長 三浦健一氏)
そうして申請・承認業務の電子化を進めるべくホンダモビリティ南関東では、旧ホンダカーズ埼玉で利用していたCreate!Webフローを組織全体に拡大することにした。
導入のポイント
柔軟なルート設定や直感的な操作性
スモールスタートからの拡張性を評価

株式会社ホンダモビリティ南関東
事業戦略部 デジタル戦略課
森岡裕也氏
旧ホンダカーズ埼玉がCreate!Webフローを導入したのは、2017年9月にさかのぼる。それ以前は稟議書をはじめ、さまざまな申請書類を紙で回しており、承認プロセスが停滞しがちで、書類の不備に起因する手戻りも頻繁に起こっていた。
「必要項目の記入漏れや添付書類の不足といったミスのほか、バージョンの古い書式を用いてしまうケースもあり、そのたびに申請書類を最初から作り直さなければならず、多大なタイムロスを招いていました」(事業戦略部 デジタル戦略課 森岡裕也氏)
こうした紙ベースでの申請・承認業務を電子化して効率化すべく、ワークフローシステムの導入に踏み切った。
「製品の比較検討の際、富士フイルムビジネスイノベーションジャパン社からCreate!Webフローを紹介していただきました。Create!Webフローは、申請内容ごとに異なる承認プロセスの複雑なルートや条件分岐も容易に定義できる運用の柔軟性、誰にでも分かりやすいUI、スモールスタートから規模を拡大できる拡張性に優位性があります。これらが選定の大きな決め手となりました」(三浦氏)
まずは用途を稟議書に絞り、160ユーザーでの試験運用をクラウド上で開始。その後、2018年8月にパッケージ版へと切り替え、旧ホンダカーズ埼玉の全従業員約1,300ユーザーを対象として運用体制を拡大した。
「Hondaグループのセキュリティポリシーに準拠するためには、ワークフローシステムをオンプレミス環境で運用する必要があったので、最終的にパッケージ版を選択しました。以降、対象業務はどんどん拡大していき、稟議書だけなく、多岐にわたる申請書や報告書、注文書なども、Create!Webフローを用いて申請・承認ワークフローを回すようになりました」(三浦氏)
導入の効果
ユーザー教育なしでスムーズに全社展開
申請・承認フローが大きく効率化
旧ホンダカーズ埼玉が先行して重ねてきた実績を高く評価し、ホンダモビリティ南関東は会社統合後も全社標準のワークフローシステムとして、Create!Webフローをそのまま利用することを決定した。
「旧ホンダカーズ横浜では別のワークフローシステムを利用していたため、統合に向けての準備には工夫が必要でした。しかし、統合前から先行してCreate!Webフローのクラウド版を利用してもらうことで移行をスムーズに進めることができました。この際、富士フイルムビジネスイノベーションジャパンの埼玉エリア担当SEと横浜エリア担当SEが密に連携し、それぞれの組織の状況に合わせて丁寧に対応してくれたことが、移行成功の大きな要因となりました」(三浦氏)
「従業員は4,300人へと大幅に増えましたが、サーバーやストレージなどのリソース増強に際しても、富士フイルムビジネスイノベーションジャパンとインフォテックによる的確なサイジングのアドバイスにより、問題なく運用できています。また、Create!Webフローを同じく新会社で採用したグループウェアのポータルに組み込むことで、他の旧3社の従業員も日常業務で利用しています。Create!Webフローならではのメニューの分かりやすさが功を奏し、特別なユーザー教育を実施しなくても、簡単な説明だけで定着化を図ることができました」(森岡氏)
これらのメリットの結果として、Create!Webフローをホンダモビリティ南関東の新組織全体に拡大できたのである。
「申請に必要な書類はすべてCreate!Webフローから簡単に入手できます。申請フォームはレイアウトを自由に調整できるため、申請者が見やすくわかりやすいデザインになるように工夫しました。従来のような記入ミスや書類不備に起因する手戻りが大幅に削減されたことで、従業員からも『非常に便利になり業務負担が軽減された』と好評を得ています」(森岡氏)
もっとも苦労がなかったわけではない。旧ホンダカーズ埼玉と4社統合後のホンダモビリティ南関東では組織形態がまったく異なるため、必然的に申請・承認ワークフローもあらためて定義し直す必要があり、準備作業に長期間を要したという。ただ、そうした中にも大きな成果を見出すことができた。
「既存の申請・承認ワークフローを見直す良い機会となり、従来は300以上に膨らんでいた複雑なプロセスを60程度に整理・集約することができました」(三浦氏)
そのうえでホンダモビリティ南関東では、Create!Webフローの新たな活用の幅を広げている。
「たとえば、一般的な承認業務とは別の使い方として、自動車保険などの紙の書類を店舗から本社へ郵送する際のワークフローを作りました。申請フォームで送付状を作り、郵便とワークフロー両方で送ることで、送付側と受領側でお互いの処理を確認できるようになり業務の確実性があがりました。また、セキュリティインシデントが発生した際にコンプライアンスオフィサーや経営陣に報告を上げるワークフローも、Create!Webフロー上に新たに定義しています。報告の履歴がそのまま証跡としてデータベースに保管されるため、再発防止を目的としたセキュリティ監査の仕組みとしても活用しています」(三浦氏)
■ ホンダカーズ埼玉からホンダモビリティ南関東へ、Create!Webフローの活用規模を拡大
今後の展望
間接業務のさらなる効率化を目指し
周辺システムとの連携を推進
現在、ホンダモビリティ南関東では、間接業務のさらなる効率化を検討している。
「私たちは紙を電子化することがゴールとは考えていません。コアな業務以外にかかる時間を1秒でも削り、全スタッフが本業であるお客様対応に集中できる環境づくりを目指したいと考えています。これを実現するために、既存業務プロセスのさらなる最適化を推進しています。Create!Webフローで運用している申請・承認ワークフローの中にも、以前に紙の書類をベースとしたプロセスをそのままシステムに焼き直したものが多数残っているため、これらの見直しを進めています」(三浦氏)
そこで重要度を増しているのが、周辺のさまざまなシステムとCreate!Webフローとの連携である。たとえば承認を得たあとの報告書のデータベース登録や関係者への公開、注文書の内容に基づいた取引先への発注処理など、継続プロセスをRPAと連携させることで自動化・省力化を図っているという。
ホンダモビリティ南関東は、富士フイルムビジネスイノベーションジャパンおよびインフォテックとのパートナーシップを深めながら、Create!Webフローのさらなる高度活用を追求していく考えだ。

弊社SIパートナーの富士フイルムビジネスイノベーションジャパンの皆様
※取材 2024年10月
※記載の担当部署は、取材時の組織名です。