アサヒ飲料株式会社 様
業務システム 文書管理 稟議

「稟議書を電子化したことで、意思決定が7日間短縮し、4000時間分のコストをカットできました」

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Create!Webフロー導入事例:アサヒ飲料 電子稟議システム

清涼飲料水の製造販売大手アサヒ飲料では、これまで紙ベースで行っていた稟議書回覧をWebベースの「電子稟議システム」に移行し、意思決定のスピードを7日間短縮するなど大きな成果を上げています。このシステムのワークフロー部分に採用された「Create!Webフロー」について、同社プロジェクトチームの皆様に詳しく伺いました。

Create!Webフロー導入事例:アサヒ飲料 電子稟議システム

(写真左)よりアサヒビジネスソリューションズ株式会社 ソリューション本部 営業企画部 第一課 池田敏朗氏
アサヒ飲料株式会社 人事総務部 総務グループ 主任 大住祐貴氏 人事総務部 総務グループ 課長 小田祐司氏
システム企画部 主任 岡田龍氏

目次

  1. アサヒ飲料について
  2. 「電子稟議システム」とは
  3. なぜ「電子稟議システム」が必要だったか
  4. これまで稟議はどのように行われていたか
  5. Create!Webフローを提案した理由
  6. 製品選定はどのように行われたか
  7. 電子化で苦労した点
  8. 「電子稟議システム」の導入効果
  9. Create!Webフローへの要望
  10. 今後の期待

アサヒ飲料について

Create!Webフロー導入事例:アサヒ飲料 電子稟議システム

― アサヒ飲料についてお聞かせください。

アサヒ飲料はアサヒビールグループにおいて清涼飲料水の製造販売を担っている会社です。主要商品には、「三ツ矢サイダー」「ワンダ」「十六茶」「バヤリース」等があります。自社で商品開発とマーケティングを行い3工場と協力工場で製造、全国の支社支店を通じて商品を販売しています。

ここ数年は、自動販売機を重要な販売チャネルと考え力を入れています。2007年から2008年にかけてカルピス社と自動販売機事業を統合し、アサヒ飲料グループの全国の自動販売機の稼働台数は23万台となっています。

「電子稟議システム」とは

― 今回、アサヒ飲料が構築した「電子稟議システム」の概要をお聞かせください。

アサヒ飲料では、このたび稟議をWeb上で行う「電子稟議システム」を構築しました。これまでアサヒ飲料内における稟議は紙ベースで行っていましたが、この「電子稟議システム」によって起案、回覧、承認、決裁、稟議文書の保存管理まで、稟議書に関するすべてのワークフローの電子化が実現しました。システム化した目的は、「稟議書類のペーパーレス化」「回覧のスピード化」「承認フローの可視化」の3つです。

Create!Webフロー導入事例:アサヒ飲料 電子稟議システム

このシステムは、インフォテック社の電子ワークフローシステム「Create!Webフロー」、富士ゼロックス社の文書管理システム「ArcSuite Office」という二つの業務パッケージを連携させて構築したものです。

フローの流れは非常にシンプルです。稟議の起案後、その稟議の内容により承認のルートを決定し、Web上で承認作業が行われます。承認が終了し決裁が行われた後は、文書管理システムに自動的に格納されます。文書管理システムには詳細検索、全文検索などの検索機能のほか、アクセス権限機能があります。

アサヒ飲料では2006年に構築を開始し、4つのフェーズを経て2007年12月に完了しました。一方、アサヒカルピスビバレッジでは、事業統合を経て2008年10月に完了しました。ユーザー数は、アサヒ飲料グループ(アサヒ飲料株式会社、アサヒカルピスビバレッジ株式会社)で約2500名です。

なぜ「電子稟議システム」が必要だったか

― この「電子稟議システム」が必要となった背景についてお聞かせください。

消費者の嗜好の多様化、店頭価格の下落、原材料の高騰など、飲料業界を取り巻く環境は、ここ数年厳しさを増しています。その中で勝ち残り、成長していくためには、売上の拡大を図ると同時に経費のコストダウンをはかり利益を出していかなければならず、そのためにはあらゆる面でスピードが求められました。そうしたなかで、2005年3月の社長交代を機に、アサヒ飲料では「スピード」を重視した経営という経営方針を掲げました。この経営方針に従い、意思決定の迅速化を実現するため、稟議書の電子化のプロジェクトがスタートしました。

これまで稟議はどのように行われていたか

― これまで稟議はどのように行われていましたか。

従来は、紙の稟議書を次々に回覧していくやり方でした。しかし、これだと決裁までに非常に時間がかかっていました。

起案をすると関連の各部署を7~10カ所ほど回覧します。支社からの起案の場合だとさらに多く、支社を一巡したあと本社に送られるためもっと時間がかかります。決裁が下りるまで3週間~1ヶ月を要していました。

これにより、以下のような無駄が生じていました。

稟議時間

アサヒ飲料における稟議書の数は年間約10,000件です。それぞれについて決裁まで約3週間かかりますから、合わせると膨大な時間を「意思決定」のために費やしていたことになります。

回覧にかかるコスト

役職者の机上には未決、既決に分けた決裁箱があり、稟議回覧担当者が毎日ここから書類をピックアップして次の承認者に渡しに行っていたため稟議書の束を持った社員が社内を歩く風景がよく見られました。この社員の労働時間を計算すると、年間4,000時間、費用に換算すると800万円を回覧と回付の記録、キャビネットへの保管に費やしていました。

保管スペース

社内の文書保管規程で「当年分と前年分は執務スペースに置く」ことになっているため、各部のキャビネット1本ないし2本は、すべて稟議書で埋め尽くされていました。

閲覧にかかる時間

稟議書を閲覧したい場合には、保管している当該部署に「問い合わせ」をして借りに行きます。この問い合わせの数が年間相当数あり、閲覧希望者と管理担当者の両方に時間と手間がかかっていました。

回付記録

稟議の起案者にとっては「今書類がどこにあるか」という進捗状況を把握することが重要です。そこで、共有サーバーの中に「回付記録」というExcelのファイルを置き、各承認者が承認し終わると一件一件チェックを行っていました。これをしないと、書類の行方がわからなくなってしまうからです。この作業は非常にアナログで、稟議回覧担当者にとっては手間がかかることでした。

Create!Webフローを提案した理由

― 井上氏にお聞きします。今回の提案は富士ゼロックスがCreate!Webフローを提案したと伺いました。その理由は何だったのでしょうか。

(井上氏)アサヒ飲料様から「稟議のシステムを作りたい」というご相談を受けて、そのご希望を整理したところ、以下が要件であることがわかりました。

紙のイメージを重視すること

Create!Webフロー導入事例:アサヒ飲料 電子稟議システム

誰でも違和感なく電子化に移行していただくために、なるべく「紙」のイメージを損なわないフォーマットで実装できることとが最重要の要件でした。

操作性の良さ

ユーザーはIT知識のある方とは限りませんので、操作性もよく回覧がしやすいことも考慮しなければならないと考えました。

捺印ができること

システム上は印影がなくても稟議フローを進めることはできますが、心理的な意味で「ハンコ」は重要です。起案した人の思い入れや、重要な案件が回っているという自覚を促す役割にもなりますので、印影の機能があるパッケージであることも要件でした。

富士ゼロックスにもワークフロー製品はありますが、インフォテックは、帳票(「Create!Form」)が得意なベンダーで紙のイメージに近づけるノウハウを持っていること、「ArcSuite Office」とも柔軟に連携ができることで、一緒に提案をさせていただくことにしました。

製品選定はどのように行われたか

― 製品の選定はどのように行われましたか。

文書管理とワークフローの組み合わせのシステムを3社に絞り比較表を作り検討したところ、富士ゼロックスの提案が最もアサヒ飲料の求めるシステムに近いため採用を決めました。

― Create!Webフローと「ArcSuite Office」の連携システムを採用した理由をお聞かせください。

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印影の登録画面(サンプル)

理由は3つです。

承認ルートの自由度が高いこと

アサヒ飲料は決裁の階層自体はわかりやすくフラットですが、決裁に行く前にどこを回覧させるかについては稟議の内容により変わります。これを柔軟に設定できる必要がありました。

Create!Webフローの機能は、異なるルートを初期設定できて、なおかつ途中で修正もできるところが便利でした。

低コストであること

完全Webベースなので、「Create!Webフロー」も「ArcSuite Office」も専用ソフトを入れる必要がなく、システム投資額を抑えることができるのは魅力でした。

印影の登録が簡単にできること

電子化した稟議書においても印影が大事であることは前にも述べましたが、Create!Webフローではこの部分の操作性が非常に優れていました。また、ほかの2社はオプションであったのに対し、印影機能は標準機能でした。

電子化で苦労した点

― 導入期間の中で最も苦労したことは何ですか。

やはり、「実務上で行っていることをそのままシステム上で行う」というところが最も難しいところでした。権限規程上と実務上のルートを鑑みて、Web上で実現できる最適化した承認ルートを決めなければなりません。たとえば、承認者は規程されているけれど、それ以外で書類の確認をしなければならない者が何人かいるということがあります。こういったことをどう実現するかに苦労をしました。

最も大変だったのは、各部に用意された受付担当者だったかもしれません。受付担当者とは、稟議案件ごとに決められ、最初に承認ルートの設計をする者のことです。どこに回していいのかということに慣れるまでは戸惑いがあったようです。ユーザーからの問い合わせで一番多かったのがこの受付担当者からの質問でした。

Create!Webフロー導入事例:アサヒ飲料 電子稟議システム

苦労もありましたが、電子化承認の意外なメリットもありました。紙ベースだと、間違っていたら簡単に修正できますが、Webベースだと修正は簡単にできません。それが逆に「後から加えることができない」という点で内部統制の観点で見ればメリットとなります。

― 今回の「電子稟議システム」では、ご要望の何%ぐらい実現できたと思いますか。

一般的にシステムはあくまでも業務効率化のための支援ツールですので、システムのみの出来で100%満足できることはあり得ません。今回の電子稟議システムについて言えば、システム自体の出来としては80%程度は満足しており、残り20%はユーザの今後の業務意識向上により高まっていくと思います。そういった意味で80%というのはシステムとしては十分合格点であると評価をしています。

「電子稟議システム」の導入効果

― 「電子稟議システム」の導入効果をお聞かせください。

Create!Webフロー導入事例:アサヒ飲料 電子稟議システム

導入効果は以下の5つです。

稟議時間の短縮

導入後、主要支社起案の本店決裁稟議について調査を行ったところ、これまで平均で3週間かかっていた決裁までの時間が2週間になりました。つまり稟議にかかる時間が7日間短縮されたことになります。

意思決定が迅速化したことにより、アサヒ飲料が目指す「スピード経営」を実現する大きな基盤ができました。

回覧・保管にかかるコストの削減

電子化により、年間4,000時間を費やしていた決裁箱を巡回して書類を運ぶ業務や文書保管業務がなくなったこと、保管スペースが必要なくなったこと、稟議が今どこまで進んでいるかを画面上で確認できるため、回付記録をつける必要がなくなったことなど、これまで稟議書に関して生じていた無駄のほとんどがカットされました。

Create!Webフロー導入事例:アサヒ飲料 電子稟議システム

稟議書検索の実現

文書管理システム「ArcSuite Office」のオプションで、検索機能をカスタマイズできる強化機能を採用し、各業務の属性にひもづいて絞り込みができる検索ができるようになったため、早く確実に検索ができるようになりました。

業務の標準化

今回のシステム化にあたり、規程外のやり方で回覧していたなど、運用が正しく行われていなかった部分も、システムの強制力により稟議のフローが標準化されるようになりました。

内部監査の効率化

毎年内部監査部門が全国の事業所を回り監査を行っていますが、この業務も効率化しています。たとえば、稟議の確認については実際に支社に出向いてから確認を行っていたところを、電子化により事前に本社にて稟議書の閲覧ができ、現地では実際の帳票の確認やヒアリングなどを行うだけで済みます。

Create!Webフローへの要望

― Create!Webフローへの要望があればお聞かせください。

稟議というのは「組織」そのものですから、組織の変化にタイムリーに合わせられる柔軟性がさらにあればよいと思います。現在、人事異動に関しては人事マスタから夜間バッチ処理で即時反映していますが、年に数回発生する組織変更の対応には少し時間がかかります。極端に言えば、組織変更の発令があったらその日のうちにシステムも変えられるような即時性があれば、システムをさらに活用できると思います。

今後の期待

― インフォテックへ、今後の期待があればお願いします。

今回の「電子稟議システム」では、社内の最重要意思決定ツールである稟議書と最多件数となる自動販売機設置の決裁である「条件簿」についてシステム化を行いました。今後は申請書レベルのものにも載せるなど、どんどん拡大していければと思っています。アサヒ飲料では、今後も「スピード経営」を目指して業務効率化を行っていきます。インフォテックには、今後も優れた製品を開発していっていただきたいと思います。


取材2008年12月

※弊社は2014年7月1日に関連会社であるインフォテック株式会社と合併し、下記の通り社名を変更致しました。掲載内容は、当時の社名を現在の社名に置き換えておりますが、一部取材当時の情報もございますのでご了承ください。

旧社名:インフォテック・アーキテクツ株式会社
新社名:インフォテック株式会社