稟議・承認フローを電子化し、進捗状況の見える化を実現
PDF貼り付け機能の活用で、添付ファイルの閲覧も快適に
高崎商工会議所 様
総務課 課長補佐 五十里 結香氏、総務課 課長 梅澤 史明氏、総務課 主任 大友 雄太氏
■業種
サービス業
■事業内容
群馬県高崎市内の中小・小規模事業者の経営支援、補助金申請・共済・創業のサポート、
会員間交流・情報共有・地域振興など
■適用業務
稟議書・報告書など
- 膨大な紙書類を処理したり、紙書類の保管場所を確保したりするのに困っていた
- 一部使っていたグループウェアのワークフロー機能は使い勝手に課題があった
- 承認ワークフローのペーパーレス化を実現し、1種類の補助金申請支援だけで年間6,000枚近くの紙を削減
- 稟議書・報告書の承認ワークフローの進捗状況を確実に把握することが可能に
導入の背景
コロナ禍による申請処理の急増に紙書類では対応しきれなくなった
高崎商工会議所
総務課 課長
梅澤 史明氏
高崎商工会議所は、商工会議所法に基づく経済産業省所管の特別認可法人として設立された総合経済団体。地域活性化やまちづくりに貢献するイベントの開催、高崎市内の中小企業など事業者向けの経営支援といった事業を行っている。
そんな高崎商工会議所では、紙ベースで行っていた申請・承認業務のペーパーレス化による業務効率化を進めることが従来からの課題になっていた。
「高崎商工会議所では、小規模事業者持続化補助金など事業者が活用できる補助金の申請をお手伝いしていますが、各事業者の申請を支援する際には必ず稟議を上げています。コロナ禍によって国の支援策が数多く出され、事業者からの相談が急増したために、より膨大な紙書類を処理したり、保管場所を確保したりするのに困るようになりました」(高崎商工会議所 総務課 課長 梅澤史明氏)
これらの課題を解決すべく、当時、総務課が中心となって申請業務のペーパーレス化と承認ワークフローの電子化を実現するソリューションの検討を開始した。
「実はこれまでも、すでに導入しているグループウェアのワークフロー機能を利用することを検討してきました。しかし、この仕組みでは、フローが回ってきたときに添付ファイルをダウンロードして確認する必要がありました。また、承認ワークフローのルートがあらかじめ決められた人だけに固定されており、承認者を途中に追加したり削除したりできませんでした。外出先からアクセスできないといった不便さもあり、稟議関連のワークフローとして利用するのには使い勝手の面で難がありました。そこで稟議関連のワークフローについては、グループウェアのワークフロー機能を利用するのではなく、新しいソリューションを導入しようと考えました」(高崎商工会議所 総務課 課長補佐 五十里結香氏)
導入のポイント
高い再現性や紙を扱うような操作性 クラウドならではの運用性などを評価
高崎商工会議所
総務課 課長補佐
五十里 結香氏
高崎商工会議所では、複数のビジネスアプリ検索サイトなどを活用して電子申請に対応できるソリューションをピックアップし、比較表を作成してコストや機能、操作性、外部アプリとの連携などの要件を比べながら検討を重ねた。その結果、Create!Webフローが有力な導入候補に挙がることになった。
「Create!Webフローは既存の紙書類を画面上にそっくりそのまま再現でき、ITに詳しくない職員であってもフォームや承認ワークフローのルートを容易に作成できます。さらに、PDFをフォーム上に貼り付ける機能によって、承認ワークフローの添付ファイルを、紙書類をめくる感覚で閲覧ができることにも好印象を持ちました。サーバーなどのインフラ管理が不要なクラウドサービスとして提供されていることも前提でしたが、その要件も満たしています。これらの点を評価し、Create!Webフローを導入することに決めました」(五十里氏)
高崎商工会議所では、2021年1月からCreate!Webフローを試用したのちに、同年4月に正式導入した。
「稟議書のワークフローについては、試用期間中から紙書類の電子化を進めていきました。書類様式のフォームは専用のアプリで一から作りましたが、まず基本的なフォームを一つ完成させ、それをコピーしながら各様式に合わせて手直しするという方法で進めたので、フォーム作成にはそれほど苦労せずに運用を開始することができました」(五十里氏)
導入の効果
ペーパーレス化と進捗の見える化を実現 場所を問わない申請・承認業務が可能に
高崎商工会議所
総務課 主任
大友 雄太氏
高崎商工会議所では現在、稟議書や報告書など30種類以上の承認ワークフローでCreate!Webフローを利用しているという。
「いまもグループウェアのワークフロー機能を一部で利用していますが、稟議書や報告書だけでなくファイルの添付が必要なワークフロー、例えば通勤届や住所変更届などにもCreate!Webフローを使っています。稟議書・報告書については、同様の書類であっても商工会議所の事業ごとに若干の差異があるため、それぞれ別のものを用意しています。そのほか、セミナーや講習会の開催に関する稟議書、専門家派遣申請の稟議書などもあり、現在は30種類以上のフォーマットを利用しています」(高崎商工会議所 総務課 主任 大友雄太氏)
ちなみにCreate!Webフローの使い方については、導入を主導した五十里氏がマニュアル作成を担当。職員向けの説明会も開催したことで、紙からの移行はスムーズに進んだとのことだ。
高崎商工会議所がCreate!Webフローを利用してから2年以上が経過したが、この間にさまざまな導入効果が得られたという。
「稟議を上げてから承認・決裁が終わるまでの進捗状況が確実に把握できるようになったことが一番の導入効果です。紙書類でフローを回していたときは、どこで処理が止まっているのかが分からず不安でしたが、Create!Webフローを見れば一目で確認できます。紙書類の紛失や処理のし忘れも回避でき、処理が止まった理由もコメントとして残せますし、過去に承認した稟議書も、履歴を見ればすぐに見つけることができます。また、Create!Webフローには所外からでもアクセスできるので、コロナ禍によって接触制限が敷かれる中でも、自宅から承認処理が行えるようになりました」(梅澤氏)
「当初の導入目的だったペーパーレス化については、Create!Webフローの導入によって大きな効果が得られていると感じています。高崎商工会議所は近い将来に別の場所へ移転する予定になっており、現在は過去の紙書類の整理を進めています。膨大な量の紙書類を整理するのは大変な作業ですが、Create!Webフローでペーパーレス化を実現したことで今後は紙書類が大幅に増える心配がありません」(大友氏)
定量的な効果は測定していないものの、紙の削減効果も実感しているという。 「例えば、小規模事業者持続化補助金はCreate!Webフローを導入する前年に、約600件の申請をお手伝いしました。その稟議を回すのに1件当たり10枚以上の紙書類を印刷していましたので、それだけでも6,000枚近くの紙を削減できたことになります」(大友氏)
■ Create!Webフローを使った会議・研修会等実施報告書(申請書)のイメージ
今後の展望
Create!Webフローをさらに使いこなし新たな活用方法を模索
すでに業務に必要な稟議書・報告書などの承認ワークフローを一通りそろえた高崎商工会議所だが、Create!Webフローの習得が進むにつれて、新たな使い方も模索し始めている。
「当所の職員は、試行錯誤と工夫を繰り返しながらCreate!Webフローの新たな活用方法にも取り組んでいます。例えば、超過勤務命令簿に記載する報告書のやりとりをグループウェアのワークフロー機能で行っていたのですが、その仕組みでは職員から上長へ『何時間残業しました』という一方通行の報告しかできませんでした。しかし、Create!Webフローにより実際に目的のワークフローをつくり上げることができました。今後も、Create!Webフローを使いこなすことを意識して、新しい活用方法が出てくることを期待しています」(梅澤氏)
Create!Webフローはこれからも、高崎商工会議所の業務のなかで活用され続けていくことだろう。
※取材 2023年10月
※記載の担当部署は、取材時の組織名です。