図面管理における承認業務を
Create!Webフロー Cloudで電子化
2種類のワークフローにより年間約600時間の工数を削減

ウエットマスター株式会社 様

ウエットマスター株式会社(写真右より)
経営戦略室 調達業務グループ 係長 藤野 枝里奈 氏、 経営戦略室 情報システムグループ 担当課長 小松 史明 氏

■業種
製造業

■事業内容
各種業務用・産業用加湿器、加湿器用純水器・軟水器、
流量管理システム機器の開発・製造・販売・アフターサービス

■適用業務
図面管理における承認業務

導入前の課題
  • 部品設計図の検図や社外提供を原紙で行っていたため業務効率や管理面で課題があった
  • 自社開発の図面管理システムとワークフローシステムを連携する必要があった

導入後の効果
  • 検図時の手書きサイン廃止、設計図の郵送廃止、協力会社との図面共有化、BCP対策が実現した
  • Create!Webフロー CloudのAPI連携により図面管理システムと連携することができた

導入の背景
設計図の検図・郵送・保管など
紙ベースの運用がボトルネックに

ウエットマスター株式会社
経営戦略室 調達業務グループ 係長
藤野 枝里奈 氏

業務用・産業用加湿器のリーディングカンパニーとして、空気環境の課題解決に貢献するウエットマスター。創業当時から「ファブレス型メーカー」として製造は協力会社に委託し、自社工場を持たない代わりに経営資源を研究・開発に集中してきた。時代のニーズに応じた新製品を業界に先駆けて開発する同社の加湿器は、主要都市のオフィスビルを中心に商業施設、病院、老人保健施設、学校、空港などへ納入されている。

同社での製造は、技術部門が作成した部品の図面を社内でチェックし、協力会社に送ることから始まる。部品ごとの設計図面は1機種あたり100枚以上にものぼる。この図面作成は手書きの時代から2D/3D CADを用いる時代へと進化してきた一方で、完成した図面は紙に印刷して、作図者・設計者・検図者が手書きでサインをして承認を回したのち、調達部門から協力会社に郵送するという運用が長く残っていた。また、原本はファイリングして棚管理としていたため、図面の検索・差し替えには時間がかかり、旧版を取り違えてしまうリスクが常に伴っていた。

そこで購買・出荷業務を担当する調達業務グループは、2022年に社内チェックや社外提供の電子化に向けた図面管理プロジェクトを立ち上げ、その一環としてワークフローシステムを導入することを決断。プロジェクトチームのリーダーを務めた調達業務グループ 係長の藤野枝里奈氏は次のように振り返る。

「私自身が10年近く在籍していた技術部門から調達部門に異動になり、紙運用の非効率を目の当たりにしたことがきっかけでした。図面は製品の品質を支える大変重要な文書であり、社内には『原紙でなければならない』という強い意識もあったのですが、紙ベースでは業務スピードが遅く、在宅勤務やBCPの観点でも課題を感じていました。そのため、電子管理に切り替えるべきだということを提案しました」

導入のポイント
従来の帳票イメージによる運用や
進捗状況のわかりやすさを評価

ウエットマスター株式会社
経営戦略室 情報システムグループ 担当課長
小松 史明 氏

実は同社では、ワークフローシステムの導入検討自体は、社内のIT改善活動として情報システムグループが2020年に行っており、Create!Webフロー Cloudが候補に挙がっていた。しかしこの時点では適用業務が明確になっておらず本格導入には至っていなかった。

その後、2022年に図面管理プロジェクトが立ち上がり、再度Create!Webフロー Cloudを俎上に載せ、現場要件を整理。紙の様式や承認順をそのまま再現できる柔軟さ、そして申請や承認の進捗が一目でわかるUIを評価し、採用を決定した。

「できるだけスムーズにワークフローシステムを受け入れてもらうためには、台帳の表紙としていた従来の作図表の形式を変えずに導入したいと考えていました。その点、Create!Webフロー Cloudは紙の申請書類の様式を入力フォームにそのまま再現でき、なおかつExcelで表を作成する感覚でフォーム作成ができるため、私たちの目的に合致していました。加えて、承認や決裁がどこまで進んでいるかを関係者で共有することができ、承認済みの人には"済"マークが付いて承認中の人は点滅する進捗状況のわかりやすさも評価ポイントになりました」(藤野氏)

その後、自社内で開発した図面管理システムと連携する目的でCreate!Webフロー CloudのAPIライセンスを検討し、トライアル利用を経て2023年2月に追加契約した。情報システムグループ 担当課長の小松史明氏は次のように語る。

「管理効率を考慮して図面管理システムをC#.NETでスクラッチ開発することに決め、ワークフローシステムとの連携を模索する中で、Create!Webフロー CloudがAPI連携に対応していることを知りました。その結果、図面管理システムを活かしたワークフローを組むことができました」

導入の効果
営業、調達、技術を合わせて
年間600時間の工数を削減

現在、同社は設計・開発の技術者を中心に、取引先からの依頼を受ける営業部門の担当者、出荷を担当する調達部門の担当者など125名がCreate!Webフロー Cloudを利用している。ワークフローは、営業向けと技術向けの2種類を用意。営業担当者は、取引先から加湿器の発注依頼を受けて図面作成を社内に申請する際に営業向けのワークフローを利用する。技術部門は営業部門からの依頼内容をもとに設計・作図を行う。そして完成した図面は図面管理システムを介して、作図者・設計者・検図者の3者で検図を行うための技術向けのワークフローへと連携され、最終的に調達部門へと受け渡される。

検図が済んだ図面は作図表とともにPDFファイルとして保存される。協力会社への図面提出は、文書授受用のクラウドサービスを介して行われるため、従来のように設計図の原紙を郵送することはなくなった。

■ ウエットマスター社における社内業務フローのイメージ

wetmaster_zu

導入の成果として、検図サインと図面の郵送は廃止された。協力会社とは図面の最新版を共有できるため、認識の齟齬が生まれることもなくなった。紙による検図や承認がなくなったことで、担当者が出社できない場合でも業務が滞ることがなく、BCP対策も実現した。

「これらの結果、営業、調達、技術の3部門合わせて年間約600時間の工数を削減できました。特に、技術部門での工数削減に大きく寄与しています」(藤野氏)

「システム面では、SAML認証によるシングルサインオン(SSO)によりセキュリティを確保しつつ利便性も向上しました。一度のログインで必要なシステムにアクセスでき、図面管理システムともシームレスに連携できたため、社内への浸透はスムーズでした」(小松氏)

今後の展望
図面管理業務の電子化に成功し、
拠点移転や監査にも強い体制を構築

Create!Webフロー Cloudの導入により、図面管理における承認業務の電子化を実現したウエットマスター。2022年の導入から3年が経過した現在も安定稼働で業務を支えている。2024年に創業55周年を迎えたことを機にテクニカルセンターを「R&Dセンター」にリニューアルし、技術部門が東京本社から所沢に移転した際も、先行して電子化を実現していたことで大きな混乱もなく済んだ。現在のところ、設計図周りの用途に限ってCreate!Webフロー Cloudを活用しているが、製造業との親和性は高い。

「製造業における図面管理の業務は、一般的な会計や販売系の業務と比べて特殊性が高く、システムの独自性がメーカーとしての優位性につながると考えています。その点、Create!Webフロー Cloudはスクラッチで開発した図面管理システムと連携しやすいワークフローシステムとして評価しています。また、ISO監査時に適切に承認された図面であることを証明できるように、決裁データ出力オプションの自動バッチ処理によりファイル保管ができる点についても利便性の高さを実感しているところです」(小松氏)

ウエットマスターは今回の変革により、自社の文化を大切にしながら、物理的な紙という制約から組織を解放し、柔軟で持続可能な働き方へ移行することに成功した。同様の課題に直面する製造業の企業にとって、取り組みの好例となることだろう。


※取材 2025年8月
※記載の担当部署は、取材時の組織名です。

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